料理と食事

料理だけじゃなくて、「食べる」こと全般に対する考え方や心構えなんかも書かれていて、それが仕出し屋の娘で栄養士でもあるわたしの母親から教わってきたことにものすごく似ている。

異国の料理を作るときには、海外サイトを参考にすることが多いけれど、英語で書かれているものの中には「え?」と思うようなのも混じっていたりする。一度日本食の作り方が紹介されている英語のサイトを見ていたら、あらゆるものに味噌が使われていて驚愕した覚えがあるし。とりあえず種類の多さと正確さ(現物に近いという意味)でいうなら、一番信用している日本語のサイトで
Eline sağlık!(エリーネ サールック!)
をよく利用している。

そして昨日の晩ごはんは、その「Eline sağlık!」から、さらに調べていってあちこちのサイトを見ながら(英語だったりフランス語だったりでナンギ)作ってみたセネガル料理の「ヤッサプーレ(yassa au poulet)」

そして今日は同じくセネガル料理の「チェブヤップ(ceebu yapp)」
骨付き肉と野菜を一緒に煮込んで、そのスープでご飯を炊くというもの。じゃがいもやナスは鶏肉と一緒に一度素揚げにしてはいたのだが、やっぱり見事に煮崩れた(笑)。

ケニアでもお祝い事の時に作る同じような料理があって、こちらはニンニクをきかせたトマトベースのスープで牛肉(やっぱり骨付き)とジャガイモを煮込んで、炊き上がったご飯に後から混ぜるもので「ピラウ」、鶏肉を使ったものは「ビリヤニ」と呼んでいた。ケニアではあまり香辛料を使わないのだが、ピラウやビリヤニにはそれぞれに応じたスパイスミックスの「マサラ」がある。こちらがそのマサラで50シリング(約75円)だった。値札に書かれているのは買ったスーパーの名前で、見ての通りインド系。あの国は植民地時代にイギリス人が連れてきたインド人がたくさんいて、商店なんかを経営しているのはまずインド人。このスーパーを経営しているインド人一家には滞在中ずいぶんかわいがってもらった。

さて、アフリカで暮らしたことがあるといってもやはり西のアフリカはやっぱりまだわたしにとっては未知の世界で、料理を作ってみてもまだいまひとつピンと来ない。六本木3丁目の裏通りにママ・アフリカというこじんまりしたガーナ料理の店があって、まあガーナに限らずナイジェリアやセネガルなどの西アフリカの家庭料理を出してくれるところである。一度行ってみたことがあるのだが、残念ながら準備中だった。そのうち行きたいと思っている。

あの界隈で客引きをしたり店のセキュリティとして立っているのは西アフリカ出身者が多くて、わたしがよく行くクラブのセキュリティもナイジェリア人である。その店は彼らのような西アフリカ出身者達の憩いの場であるらしい。なぜかあの界隈ではあんまり東アフリカ出身の人とは出会うことがないのがフシギ。

新人が辞めてしまった

今年入ったばかりの新人が辞めてしまった。今月留学のために退職したのが一人、先月育児(と第二子作成)に専念するため退職したのが一人、そしてこれで3人がいなくなった。欠員補充はまだない。仕方がないのでこれまで4人で回していた日勤は3人で、原則月に4回とされている夜勤は6回から7回になり・・・

できるかっ(泣)

これはさすがにムリだ、と部長に泣きつくと
「こっちも人増やしたいんだけどねー、他の病棟もいっぱいいっぱいだしー、それに3人日勤になってもちゃんと仕事は定時で終わらせてるんでしょ?だから上の方は『あ、この人数でも回せるんじゃん(はぁと』って思っちゃうのよ。これがとてもじゃないけど終われません!ってぐらいに毎日残業続出なら考えてもらえるかもしれないんだけどねえ、あ、新しく募集で2人来たけど別病棟配属になっちゃったあ、ごめんねえ(テヘッ」

・・・・・・・orz
えーと、お前らが3人日勤でも定時に終わらせるような仕事してるから欠員補充はないんだってことですかそうですか。で、

それ何てセカンドレイプ?

医療系有資格者の単価は高い。病院側としては必要最小限の人数を抱えておくだけにしておきたい、というのが実情。

だから患者にクレームを言う口がついていて、面会もそれなりに多い「人目につく」病棟に優先的に人員を回して手厚いケアができるように人員配備する(こちらのような植物状態ばかりで面会もほとんどいないような病棟は後回し)というのは経営的に「正しい」判断である。

だからって言ってもねえ。

人数が減った分の負荷は確実にひとりひとりにかかっている。たとえ「人目につかない」病棟であるとしても、わたし達は当たり前に必要なケアをきっちりやりたいと考えている。そのレベルが確実に落ちていっているのはシロウト目にはわからなくても、わたし達にはよくわかる。製造業ならオシャカ闘争もできようものだけど、生憎我々の仕事でそんなことした日にゃあ、どんな騒ぎになるんだか、考えただけでゾッとする。医療従事者が果てしなくお人よしだなあ、と思うのはそう考えてムリな努力をさらにしてしまうところで、今それに思いっきりつけ込まれているんだよな。